一番おもしろい女性芸人を決める大会「女芸人No.1決定戦THE W 2025」が12月13日に行われ、優勝は7年ぶり3回目の決勝進出となったニッチェ(マセキ芸能社/コンビ結成20年)でした。今大会は1044組がエントリー。その頂点に立ちました。
そして、今大会を象徴する存在になったのは、どのコンビでもなく、審査員の粗品さんでした。
第9回大会をおさらい
今大会は決勝にもめんと、電気ジュース、とんでもあや、紺野ぶるま、エルフ、パンツ万博、ニッチェ、ヤメピの8組が出場。テレビでお馴染みのコンビから若手まで例年同様のバランス感でした。
THE Wの審査は「勝ち残りノックアウト方式」のブロックトーナメント。「ファーストステージ」は4組が2つのブロックに分けられ、2組目以降がネタを終えるごとに暫定1位を決定。各ブロックから勝ち残った2組と視聴者投票で復活した合計3組が最終決戦で争い、そこで最も多くの票を獲得した芸人が優勝となります。
Aブロック 紺野ぶるまが1位
Aブロックに登場したのはもめんと、電気ジュース、とんでもあや、紺野ぶるまの4組。
①もめんと6-1電気ジュース
②もめんと5-2とんでもあや
③もめんと0-7紺野ぶるま
Bブロック ニッチェが1位
Bブロックに登場したのはエルフ、パンツ万博、ニッチェ、ヤメピの4組。
①エルフ7-0パンツ万博
②エルフ3-4ニッチェ
③ニッチェ6-1ヤメピ
最終決戦 優勝はニッチェ
決勝はA・1位の紺野ぶるま、B・1位のニッチェ、復活枠で決勝進出のエルフの三つ巴の決戦に。
得票数は、エルフ2 ニッチェ3 紺野ぶるま2 となり、ニッチェが優勝賞金1000万円を獲得しました。
個人的にも最終決戦の3組は他のコンビよりも頭一つ抜けていたかなと思います。ニッチェさん、おめでとうございます。
今大会で一番目立ったのは、誰でもなく粗品さん
さて、大会はニッチェさんの優勝で幕を閉じましたが、この大会に大きな爪痕を残したのは誰でもなく審査員の粗品さんでした。粗品さんは今回が初のTHE Wの審査員となります。番組の直前には下記のようなポスト。
そして、番組が始まると、笑いなしで真剣に審査すると宣言。ネタの後に感想を聞かれると、「良かった」「面白かった」などといった感覚的な発言でなく的確なコメントを連発していきました。
「大前提、ウケすぎ。そこまで面白くなかった。異質な会場でした。前半がフリにしてもおもんなさすぎる」
「前半捨てた分の回収が足りてない。あまりにスロースタートすぎる。こういうコントでの定石は立場の逆転の応酬。ちょっと手を出すの早かったんちゃうかな。やりたいことはわかる。芝居の技術はある」
「センスのいいフレーズが飛び出している。良いセンス言っているけど、ツッコミが1.2倍のフレーズを言わないといけない。ギリ個性にならないくらい、拙い。うっすら蔓延している、女性芸人のツッコミ下手だよねっていうのに、つながってくる」
「日テレが集めた今日の客の勘が悪すぎて。ウケてなかったのが、まずかわいそうです」
「芸歴と生き様が、ちょっと足りていない」
「正直、1秒も面白くなかったです。ボケの子はクールでいいし、ツッコミの子のツッコミ方も何か形になりそうな、何かつかめそうなものがあるから、テレビで見てる人も誤解せずに劇場に足を運んでぜひ応援してあげてほしい」
「漫才コントにこんなん入れていたら評価されるやろうっていうのが、お客さんにも見透かされている」
「質の悪い客の前でしか試せていないから」
「もっとしゃばいやり取りをネタから削って、渋いやり取りを入れたら」
「もっとウケていいのにと思いました。今日はウケたらアカンやつがウケてたり、ずっと間違ったお笑いの常識がテレビで放送されているのが本当に歯がゆいです」
「テレビを見ている素人って、笑い声あるかどうかでしか、おもろい、おもんない判断できないんでね。ちょっとそれがかわいそう」
「賞金1000万にしてはレベルの低い大会」
上記は一部のコメントで、ほぼ全ての芸人のネタにコメントしていきました。そして、見ているお客さん、視聴者、番組の演出などにも切り込むなど、個人的には最初は言い過ぎなんじゃないかなと思いましたが、次第に粗品さんの審査=お笑いに対する本気度が伝わってきました。
大会中にはエルフの荒川さんから「Wから出ていってくれませんか!迷惑なんです」と言われてしまった粗品さん。出演者からしたら、ダメ出しの応酬だったのでキツかったのだと思います。しかし、紺野ぶるまさんはSNSで「粗品氏に感謝でしょ!大会が面白くなったしいつもよりたくさんの人にみてもらって、ただ最後にわたしのネタについてせっかくなら一言聞きたかったなあって」とポストしています。
粗品さん自身がYouTubeで真意を明かす
そして、粗品さんは大会終了後にYouTubeで大会を振り返りました。各出場者のネタについてコメントしているほか、日本テレビの番組チームと了解の上でのことだったと明かしています。もっとTHE Wを良くしたい、お笑い界を良くしたいという思いを語っていました。
とにもかくにも大きな注目を集めた今年のTHE W。その中心に粗品さんがいたのは間違えありません。来年はいよいよ記念すべき第10回大会となるので、今年以上に盛り上がってほしいですね。





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